
冬の東北の温泉宿に行ってみたいです。ただ、雪の中をどうやって着くのかが心配で。



宿ごとに、最後の道が違います。バスで山を上る宿、駐車場から歩く宿、冬はマイカーが入れない町もあるので、行き方から書きました。
※この記事は、各宿の記事の内容を26年11月時点でまとめたものです。運営者が泊まった体験ではありません。休館・工事・規制の日付や、プランの期間・料金・空室は、宿の最新の案内と予約ページでご確認ください。
東北の冬は、湯の話をする前に、道の話をしておきたい季節です。この記事では、冬の東北の温泉宿7軒を、雪の中の最後の道を軸に並べました。乳頭温泉郷、八甲田、山形。三つの土地を歩きます。
- 乳頭温泉郷・八甲田・山形、三つの雪の土地と7軒の宿
- バス・送迎・徒歩・マイカー規制、宿までの最後の道
- 2026年11月から冬にかけての休館・工事・規制の日付
序章|冬の東北の温泉宿7軒へ、雪の前に確かめる道
冬の東北は、湯の温度より先に、道が旅を決めます。乳頭温泉郷には例年11月中旬から雪が降り、休暇村乳頭温泉郷の公式サイトは、11月中旬から4月下旬まではスタッドレスタイヤが必須と案内しています。
7軒は、三つの土地に分かれます。田沢湖駅からバスで山を上る乳頭温泉郷の3軒。新青森駅から送迎バスで入る八甲田の2軒。そして、町の規制や雪道が着き方を決める山形の2軒です。
- 11月4日〜12月3日:休暇村乳頭温泉郷の浴室工事
- 11月16日〜18日:酸ヶ湯温泉旅館と八甲田ホテルが全館休業・休館
- 12月19日〜2027年3月7日:銀山温泉のマイカー規制(降雪しだいで延長)
第一章|冬の東北の温泉宿、乳頭温泉郷へバスで上る3軒
秋田新幹線の田沢湖駅から、羽後交通の乳頭線バスで山へ入ります。バスは1時間に1本。先にバスの時刻を決めてから、旅を組みます。
鶴の湯温泉|茅葺き屋根の本陣と、混浴の露天風呂
田沢湖駅から乳頭線のバスで約50分。アルパこまくさバス停で降りるときは、乗るバスの時刻を電話で宿に伝えておくと、鶴の湯の送迎車が迎えに来ます。送迎車が走るのは、鶴の湯と別館の山の宿、そのバス停のあいだだけです。
茅葺き屋根の本陣が建つ宿で、公式サイトは、乳頭温泉郷でも最も古くからある温泉宿と紹介しています。客室は34室。湯は、半径50m以内に湧く泉質の異なる4つの源泉で、白湯、黒湯、中の湯、滝の湯と呼ばれ、混浴の露天風呂があります。夕食は山の芋鍋と岩魚の塩焼きで、二号館以外は部屋出しです。
通年営業です。ただし冬は、部屋ごとに暖房費がかかります。大体10月から5月まで、その年の気温で前後します。打たせ湯の滝の湯は、冬は休みです。
選ぶ前に:予約は電話か日本秘湯を守る会のWebサイトで、メールの対応はありません。携帯電話の送受信は「△」、冷房とエレベーターは「×」です(守る会の施設情報)。棟ごとの部屋の違いは、鶴の湯温泉の記事に書きました。
孫六温泉 六庵|冬は駐車場から約15分、歩いて着く宿
乳頭温泉郷の奥、ブナ林に囲まれた湯宿です。田沢湖駅から乳頭線のバスで約50分、降りるのはバス停「乳頭温泉」。そこから宿までは、歩きます。
冬の送迎は、荷物の運搬だけです。要予約で、客自身は駐車場から約15分歩きます。冬の駐車スペースは9台(宿の2025年12月のお知らせ)。道に街灯がないので、日没前の到着が勧められています。宅配便の手配はできません。2026年の冬の運用は、予約の前に宿へ確かめます。
客室は6室で、離れの3室には専用の露天風呂が付きます。湯は、混浴の露天風呂と混浴の内湯、男女別の内湯「唐子の湯」。混浴は湯浴み着で入ります。宿は「源泉掛け流し」と書いていて、じゃらんの表示は「加水」です。
選ぶ前に:エレベーターはなく、貸切風呂は休止中です。離れの専用露天風呂の湯が温泉かどうかは、宿へたずねます。詳しくは孫六温泉 六庵の記事で。
休暇村乳頭温泉郷|バス停から徒歩0分、2つの源泉
田沢湖駅から乳頭線バスで約45分、「休暇村前」で降りれば、宿までは徒歩0分です。駅からの送迎バスはありません。乳頭温泉組合は、美しいブナ林に囲まれた、郷の中でもっとも近代的な施設と紹介しています。
湯は2つの源泉です。内湯の大浴槽は「乳頭の湯」でナトリウム炭酸水素塩泉、内湯の小浴槽と露天風呂は「田沢湖高原の湯」で単純硫黄泉。公式サイトは、どちらも「源泉掛け流しの天然温泉」と表示しています。貸切の入浴はありません。
雪でバスが止まることは、よほどの豪雪でないかぎり、ほぼ通常どおりの運行と宿が案内しています。館内には有料のコインランドリーとスキー用の乾燥室があり、田沢湖スキー場へは車で約25分です。
選ぶ前に:浴室の工事が11月4日から12月3日まであります。日帰り入浴の案内では、工事の期間は浴槽が1つになり、男女入れ替え制です。宿泊のときの入浴は、宿へたずねます。門限は18時30分です。部屋や食事は休暇村乳頭温泉郷の記事にあります。
第二章|冬の東北の温泉宿、八甲田へ新青森駅から上る2軒
青森市の八甲田は、標高約900mの山の中です。2軒とも、新青森駅から宿泊者向けの無料送迎バスが出ます。国道103号には冬の規制があり、八甲田ホテルの公式サイトは、例年11月中旬〜4月上旬の全面通行止め(酸ヶ湯ゲート〜谷地ゲートほか)と、例年12月中旬〜4月上旬の夜間規制を案内しています。最新の状況は、青森みち情報で見ておきます。
酸ヶ湯温泉旅館|総ヒバ造りの千人風呂へ、冬もバスが走る
新青森駅の東口から、宿泊者だけが使える無料送迎バスが約60分。要予約で、乗り場は2025年11月27日から、青森駅ではなく新青森駅になりました。JRバスも、青森と酸ヶ湯のあいだを冬も年中無休で走っています(公式案内、26年10月時点)。
車なら、四輪駆動か滑り止めが必要です。期間中の夜間は雲谷ゲートが閉まる日があり、夕方以降は原則として道路の除雪がありません。早めの到着が勧められています。
標高約900m。宿の案内では、三百年も昔から開かれていた山の湯です。名物は、総ヒバ造り・約160畳の混浴の大浴場「ヒバ千人風呂」。宿泊者なら24時間入れて、女性専用の時間が朝と夜にあります。洗い場は千人風呂になく、男女別の「玉の湯」を使います。湯あみ着は有料のレンタルで、着るかどうかは任意です。客室は、ベッド付きの旅館棟と、自炊のできる湯治棟に分かれます。
選ぶ前に:11月16日から18日は全館休業です(公式のお知らせ、26年10月17日時点)。湯治棟は、洗面所とお手洗いが共同の部屋が多く、3号館だけトイレが付きます。棟ごとの違いは酸ヶ湯温泉旅館の記事にあります。
八甲田ホテル|雪化粧のブナ林を眺める大浴場
酸ヶ湯温泉旅館の姉妹館で、車で3分の距離にあります。標高約900mに建つ45室の宿です。新青森駅発着の無料送迎バスが通年で動き、前日17時までの事前予約制。宿泊者は、酸ヶ湯の千人風呂にも無料で入れます(じゃらん)。
宿の湯は大浴場の内湯で、露天風呂はありません。じゃらんの宿ページでは、冬の大浴場の写真に「雪化粧したブナ林、冬だけの景色を眺めながら」という説明が付いています。夕食はレストランで、フレンチのフルコースか和食会席を選びます。
冬の道については、公式サイトが10月20日付のお知らせで、スタッドレスタイヤの装着をすすめています。玄関前のスロープは冬期間は撤去されるので、足が不自由な人や荷物の多い人は、事前に宿へ相談します。
選ぶ前に:2026年11月16日から18日は全館休館で、この3日間は酸ヶ湯の千人風呂にも入れません。湯の扱いは、一休が源泉かけ流しに○を付けつつ「(加水)」と補足しています。詳しくは八甲田ホテルの記事で。
第三章|冬の東北の温泉宿、山形の雪の町と蔵王の2軒
山形の2軒は、バスではなく、町の決まりと雪道が着き方を決めます。
銀山温泉 藤屋|冬はマイカーを置いて、シャトルバスで町へ
山形県尾花沢市の銀山温泉は、大正から昭和にかけての木造の旅館が、銀山川の両岸に並ぶ町です。大正2年の大洪水でほとんどの宿が流され、昭和元年に源泉のボーリングで湯が出ると、各旅館は一斉に洋風の木造に建て替えました(観光サイト)。藤屋は、その町並みにある木造三階建ての宿で、客室は8室、全室が銀山川に面しています。
最寄りは大石田駅で、駅から車で約30分。そして冬は、2026年12月19日から2027年3月7日まで、銀山温泉がマイカー規制になります。降雪しだいで延長もあります。車は「大正ろまん館」に停めてシャトルバスに乗り換え、往路は毎時00分・20分・40分、復路は毎時10分・30分・50分、始発は9時、最終は18時です。事前予約は、2026年11月1日の9時から順次発売されています。宿泊者の車の扱いは、予約のときに藤屋へ確かめます。
風呂は、ひば、竹、石、地下、天空の5つの貸切風呂です。空いていれば24時間、時間制限なしで入れます。公式サイトは5つとも源泉掛け流しとしていて、温度調整のために加水する場合があると書いています。町の共同浴場「大湯(かじか湯)」は、観光サイトの記載で、宿泊者は無料です。
選ぶ前に:公式のお知らせ(2026年7月21日)は、原則として仮押さえはなく、キャンセル待ちもないと告げています。ひとり泊は、予約画面で1名が選べないことがあり、電話で相談します。コンビニは歩ける距離になく、車で約30分です。詳しくは銀山温泉 藤屋の記事で。
界 蔵王|2026年10月15日の開業、ゲレンデまで徒歩5分以内
山形市の蔵王温泉にある、星野リゾートの宿です。正14角形のタワー型の建物で、客室は全49室。山形駅から車で約40分、東北中央自動車道の山形上山ICから約20分です。宿の送迎はありません。山形駅からはタクシーか路線バスで約40分。駐車場は無料で、予約は要りません。
冬は積雪や道路凍結のおそれがあり、公式サイトは、スタッドレスタイヤかチェーンの着用をすすめています。じゃらんには、ゲレンデまで徒歩5分以内とあり、館内にはスキー乾燥室もあります。
大浴場の湯船は、源泉の濃さで3つに分かれます。源泉0%の「0の湯」、源泉50%の露天風呂「50の湯」、高さ4mの湯口から源泉が注ぐ「100の湯」。公式サイトがかけ流しと案内しているのは100の湯だけで、じゃらんの温泉欄は「加水・加温」です。最上階のサウナは水着で入る男女共用で、予約は要りません。
選ぶ前に:送迎がなく、冬の雪道は、車なら冬用の備えが前提です。ベジタリアンメニューとアレルギー対応は、5日前までの申し込みです。部屋や夕食の中身は界 蔵王の記事にあります。
終章|冬の東北の温泉宿、迷ったらこの4軒から
決めきれない日は、いちばん不安な道から選ぶ手もあります。宿名を押すと、その宿のボタンへ移ります。
- バスを降りて、茅葺きの本陣と混浴の露天風呂へ → 鶴の湯温泉
- 荷物を運んでもらい、雪の道を約15分歩く → 孫六温泉 六庵
- 新青森駅から送迎バスで、総ヒバ造りの千人風呂へ → 酸ヶ湯温泉旅館
- 車を置いて、シャトルバスで木造の町並みへ → 銀山温泉 藤屋
休暇村乳頭温泉郷の工事(11月4日〜12月3日)、酸ヶ湯と八甲田ホテルの休館(11月16日〜18日)、銀山温泉のマイカー規制(12月19日〜)。これらの日付は、日程を決める前に避けておきます。
雪見の露天風呂を条件にするなら雪見露天風呂の宿6選、県ごとに広く見るなら秋田・青森・山形の温泉宿のまとめへ。同じ銀山温泉には、貸切風呂2か所の古山閣、国の登録文化財の木造館の能登屋旅館、高台から滝を望む瀧見舘もあります。
冬の東北の温泉宿7軒|最寄り駅・最後の道・冬の日付
着き方を横に並べると、こうなります。宿名から、予約ボタンへ飛べます。
| 宿 | 最寄り駅 | 最後の道 | 冬に押さえる日付・条件 |
|---|---|---|---|
| 鶴の湯温泉 | 田沢湖駅 | 乳頭線バス約50分。バス停から送迎車(時刻を電話で伝える) | 暖房費(大体10月〜5月)。滝の湯は冬季休み |
| 孫六温泉 六庵 | 田沢湖駅 | バス約50分、バス停「乳頭温泉」から歩く。冬の送迎は荷物のみ | 駐車場から約15分。日没前の到着 |
| 休暇村乳頭温泉郷 | 田沢湖駅 | バス約45分、「休暇村前」から徒歩0分 | 11月4日〜12月3日 浴室工事 |
| 酸ヶ湯温泉旅館 | 新青森駅 | 東口から無料送迎バス約60分(要予約) | 11月16日〜18日 全館休業 |
| 八甲田ホテル | 新青森駅 | 無料送迎バス(前日17時までの事前予約) | 11月16日〜18日 全館休館 |
| 銀山温泉 藤屋 | 大石田駅 | 駅から車で約30分。冬は大正ろまん館からシャトルバス | 12月19日〜2027年3月7日 マイカー規制 |
| 界 蔵王 | 山形駅 | 送迎なし。タクシーか路線バスで約40分 | 雪道はスタッドレスかチェーン |
※表の内容は26年11月時点のものです。バスの時刻・規制の最新情報は、宿の案内と運行会社でご確認ください。
冬の東北の温泉宿7軒|宿の記事と予約ボタン
雪の中を行く日の宿を押してください。まだ迷うなら、先に「宿の記事を読む」へ。
鶴の湯温泉
\ 押すと日本秘湯を守る会の鶴の湯のページが開き、プランを読めます。電話でも予約できます /
孫六温泉 六庵
\ 押すとじゃらんの孫六温泉 六庵のページが開き、客室のタイプを読めます /
休暇村乳頭温泉郷
\ 押すと楽天トラベルの休暇村乳頭温泉郷のページが開き、プランと空室を見られます /
酸ヶ湯温泉旅館
\ 押すと楽天トラベルの酸ヶ湯温泉旅館のページが開き、旅館棟と湯治棟のプランを探せます /
\ 押すとじゃらんの宿ページが開き、部屋のタイプを見比べられます /
八甲田ホテル
\ 押すと楽天トラベルの八甲田ホテルのページが開き、プランと空室を見られます /
\ 押すとじゃらんの宿ページが開き、大浴場の冬の写真を読めます /
\ 押すと一休.comの宿ページが開き、客室と風呂の案内を読めます /
銀山温泉 藤屋
\ 押すと楽天トラベルの藤屋のページが開き、空室を探せます。原則、仮押さえはありません /
界 蔵王
\ 押すとじゃらんの界 蔵王のページが開き、客室と湯の表示を読めます /
冬の東北の温泉宿|よくある質問
車がない、雪道が不安、混浴は初めて。冬の東北でつまずきやすい7つを拾いました。
- 冬の東北の温泉宿は、車がなくても行けますか?
-
行けます。鶴の湯はバス停から送迎車、酸ヶ湯温泉旅館と八甲田ホテルは新青森駅から無料送迎バスがあり、休暇村乳頭温泉郷はバス停から徒歩0分です。孫六温泉 六庵はバス停から歩き、銀山温泉 藤屋は大石田駅から車で約30分、冬はシャトルバスを使います。界 蔵王に送迎はなく、山形駅からタクシーか路線バスで約40分です。
- 冬の東北で、スタッドレスタイヤが必要な宿はありますか?
-
休暇村乳頭温泉郷は、公式サイトが11月中旬から4月下旬まで必須としています。八甲田ホテルと界 蔵王は、公式サイトが装着をすすめ、酸ヶ湯温泉旅館は四輪駆動か滑り止めが必要です。
- 冬の乳頭温泉郷に、バスは走っていますか?
-
走っています。乳頭線のバスは1時間に1本で、よほどの豪雪でないかぎり、ほぼ通常どおりの運行と休暇村乳頭温泉郷が案内しています。時刻は羽後交通(0187-43-1511)で確かめます。
- 銀山温泉には、冬に車で行けますか?
-
2026年12月19日から2027年3月7日までは、マイカーで温泉街に入れません。大正ろまん館に車を停めて、シャトルバスに乗り換えます。降雪しだいで、期間が延びることもあります。
- 酸ヶ湯温泉は、冬も泊まれますか?
-
泊まれます。冬も青森と酸ヶ湯のあいだをJRバスが年中無休で走り、新青森駅からは宿泊者向けの無料送迎バスが出ます。ただし、11月16日から18日は全館休業です。
- 冬の東北で、混浴の露天風呂がある宿はどこですか?
-
鶴の湯温泉と孫六温泉 六庵に、混浴の露天風呂があります。孫六は湯浴み着を着けて入ります。酸ヶ湯温泉旅館の千人風呂は混浴の大浴場で、女性専用の時間が朝と夜にあります。
- 冬の東北の温泉宿で、暖房費がかかる宿はありますか?
-
鶴の湯温泉は、冬の期間、部屋ごとに暖房費がかかります。大体10月から5月までで、時期はその年の気温で前後します。

コメント
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