
老舗の木造旅館に、一度は泊まってみたいんです。でも、古い建物だと階段や冷え込みが心配で、迷っています。



会津藩の保養所の時代から続く、24室の木造旅館です。湯はすべて源泉かけ流し。古い建物で出会う場面も、本文で順に書きました。
※この記事は、旅館の公式サイト、楽天トラベルとじゃらんの掲載情報をもとに書いています(26年10月時点)。運営者自身が宿泊した体験ではありません。料金やプランは予約ページでご確認ください。
向瀧(会津東山温泉)|会津藩の保養所から続く、24室の木造旅館
会津若松市の東山温泉にある「向瀧」は、会津藩の保養所の時代から続く、客室24室の木造旅館です。宿の案内では、登録文化財制度の第一号として登録された建物で、湯は館内のすべてが源泉かけ流しの完全放流式です。
車で着いたら、玄関に乗りつけます。係員が専用駐車場へ車を移してくれる決まりで、玄関前に停められるのは乗用車で7台ほどです。会津若松ICからは約7km、車で15分ほど。電車なら、会津若松駅からまちなか周遊バス「ハイカラさん」か「あかべぇ」でバス停「東山温泉駅」へ行き、そこから徒歩1分です(宿の送迎はありません)。
- 24室すべて造りの違う木造旅館。宿の案内では、登録文化財制度の第一号として登録された建物です
- 源泉かけ流しの完全放流式。熱めの「きつね湯」と、ぬるめの「さるの湯」があります
- 無料で予約不要の貸切風呂が3つ。時間を気にせず入れます
第一章|千鳥破風の玄関と、一室ずつ造りの違う客室
到着の場面は、屋根の下から始まります。千鳥破風の屋根をのせた玄関をくぐると、そこから客室までの道のりが、この宿のはじめの見どころです。
玄関から客室へ向かう廊下の脇には、苔むした中庭が広がります。回廊には、材料の素地を生かした木の美しさが見え、数々の階段や飾り窓が、歩く先々に現れます。
客室は24室すべてが違う造りで、すべて和室です。多くの皇族を迎えた離れの間から、中庭向き、湯川向き、温泉付き、階段の少ない部屋まで。眺めも間取りも一室ずつ別なので、部屋選びがそのまま宿選びになります。
障子や欄間が、外の光をやわらげます。欄間には、部屋の名にちなんだ透かしや、幾何学の組子があります。
季節の見どころとして、宿は、秋の紅葉(例年11月上旬から中旬ごろ)、冬の「雪見ろうそく」を挙げています。雪見ろうそくは、冬の時期、客室までの回廊でも楽しめます。
古い建物の作法として。階段や段差が多く、車椅子は使えません(じゃらん)。階段の少ない客室もあるので、足もとが心配なときは、予約のときに伝えてください。
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第二章|きつね湯とさるの湯、毎朝空にして磨く浴槽
向瀧の湯は、数字と仕組みがそのまま魅力になっています。
源泉は自然に湧き出る自家源泉で、動力を使わずに湯をためます。きつね湯は、会津藩指定の保養所の時代から続く湯です。白御影石で縁取った浴槽を、六角形のタイルが囲み、湯の流れ口には湯の華が咲きます。湯の温度は44度から45度で熱め。シャワーも蛇口もない、昔の湯治場の風情です。
さるの湯は、大理石の浴槽です。湯は41度から42度のぬるめで、大きな窓から木々が見え、竹垣の向こうからは、音と風が届きます。こちらにはシャワーがあります。
貸切の家族風呂は3つ。蔦の湯、瓢の湯、鈴の湯の名があり、予約も追加料金もなく、時間の制限もありません。湯は42度から43度。館内の浴槽はすべて加水・加温・循環ろ過なしで、水道水や井戸水、入浴剤は使っていません。宿の説明によると、貸切の家族風呂は三世代の旅行にも使われています。
毎朝、すべての浴槽を空にして磨きます。貸切風呂から順に、昼から午後にかけて湯がたまります。入浴は24時間可能と楽天に載っていますが、午前中に着くなら、湯が満ちるまで待つ時間があります。
第三章|部屋で味わう会津の郷土料理と鯉の甘煮
夕食も朝食も、客室へ運ばれる部屋出しです。部屋が2つ以上の場合や、人数が多い場合は、個室の食事場所が用意されます。
料理は地元の会津の食材が中心で、化学調味料や合成着色料は使わず、派手な演出もありません。エビ、カニ、マグロなど海の食材は使わない、という方針です。
26年秋の献立には、食前酒の「会津盆地 葡萄のしずく」、生木耳の白和え、こづゆ、会津地鶏と盆地の恵みの鍋、会津大川の鮎めしが並びます。江戸時代から伝わる鯉の甘煮と、にしんの山椒漬けも、おしながきに並びます。
揚げ物は会津丸茄子、ご飯は会津産のコシヒカリ、デザートは会津の和梨。派手さはなくても、会津の秋を一膳に集めた内容です。
肉を食べたい方には、特別料理の「福島酵母和牛ステーキ」があります。当日は用意できないため、希望するなら5日前までに宿へ連絡が必要です。
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終章|朝のコシヒカリと、バス停「東山温泉駅」までの徒歩1分
翌朝も、食事は客室で。朝のご飯は白いご飯にこだわった一膳で、会津産のコシヒカリが炊かれます。
秋に泊まるなら、中庭は11月上旬から中旬ごろが紅葉の見ごろです(例年の目安)。
宿を出れば、東山温泉駅のバス停まで徒歩1分。木造の廊下から周遊バスの乗り場までは、帰り道も短く済みます。
千鳥破風の玄関をくぐり、苔むした中庭を脇に見ながら回廊を客室へ。会津藩の保養所の時代から続く湯も、その先にあります。
選ぶ前に:午前中は湯が満ちきらず、階段や段差が多い宿です。車椅子は使えません。海の幸の膳ではなく、会津の食材の膳になります。
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基本情報|24室の木造旅館の宿帳
所在地、湯、客室、食事の場所。決める前に知っておきたい要点を、一つの表に収めました。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 所在地 | 福島県会津若松市東山町湯本川向200(東山温泉) |
| 温泉 | 自家源泉の混合泉。ナトリウム・カルシウム-硫酸塩・塩化物泉(低張性・弱アルカリ性・高温泉)。公式サイトでは、館内すべての浴槽が源泉かけ流し100%の完全放流式で、加水・加温・循環ろ過はしないとしています |
| 風呂 | 大浴場は「きつね湯」と「さるの湯」。ほかに無料の貸切家族風呂が3つ。楽天の掲載では入浴は24時間可能ですが、毎日の浴槽掃除のあと、湯がたまるまで待つ時間があります |
| 客室 | 全24室(26年10月時点)。すべて和室で、造りも眺めも一室ずつ違います。温泉付きの客室や、階段の少ない客室もあります |
| 食事の場所 | 朝食・夕食とも、客室へ運ぶ部屋出し。部屋数や人数によっては、個室の食事場所になります |
| アクセス | 会津若松ICから約7km、車で15分ほど。会津若松駅からは、まちなか周遊バス「ハイカラさん」「あかべぇ」でバス停「東山温泉駅」へ行き、徒歩1分(宿の送迎はありません)。駐車場は無料で30台 |
| 最終更新 | 26年10月 |
- 新しい設備より、歴史のある木造建築の中で過ごしたい
- 大浴場でも貸切でも、かけ流しの湯を何度も浴びたい
- 会津の郷土料理を、部屋でゆっくり味わいたい
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選ぶ前に|階段と湯待ちの時間、古い建物の宿
建物の魅力と、古さゆえの不便は表裏一体です。合う旅とためらう点を分けました。
この宿が合う滞在
- 建物そのものを味わう旅。24室すべて造りが違い、部屋の種類を選べます
- 湯を何度も浴びたい旅。貸切風呂が3つとも無料で、予約も要りません
- 家族や三世代の旅。貸切の家族風呂が3つあり、時間の制限もありません
ためらいそうな点
- 足腰に不安がある旅。階段や段差が多く、車椅子は使えません。階段の少ない客室もあるので、予約時に相談を
- 午前中から湯に入りたい旅。毎日、浴槽を空にして磨くため、昼ごろまで湯が満ちません
- 海の幸を楽しみたい旅。エビ、カニ、マグロは使わない方針です
会津や福島のほかの宿も並べてみるなら、福島の温泉宿おすすめ9選へ。宿選びの手順から確かめたいときは、温泉旅館の事前調査術が役に立ちます。
よくある質問
気になりやすい疑問を、6つ取り上げて答えました。
- 貸切風呂に予約は必要ですか?
-
予約も追加料金も要りません。3つある家族風呂は、時間の制限なしで、空いていればいつでも使えます。
- 夕食は部屋で食べますか?
-
朝食・夕食とも、客室へ運ぶ部屋出しです。部屋が2つ以上の場合や、部屋の広さに対して人数が多い場合は、個室の食事場所が用意されます。
- 肉料理は食べられますか?
-
特別料理に「福島酵母和牛ステーキ」があります。当日は用意できず、希望する場合は5日前までに宿へ連絡が必要です。通常の献立は、会津の食材が中心です。
- 電車とバスで行けますか?
-
会津若松駅から、まちなか周遊バス「ハイカラさん」か「あかべぇ」でバス停「東山温泉駅」まで行き、徒歩1分です。宿の送迎はありません。
- 車椅子でも泊まれますか?
-
昔ながらの木造建築で階段や段差が多いため、車椅子は使えません。階段の少ない客室もあるので、足もとが心配な場合は予約時に伝えてください。
- 日帰り入浴はできますか?
-
公式サイトのトップページに、「日帰り入浴は承っておりません」とあります。入館できるのは、宿泊のお客様のみと案内されています。
アクセス|会津若松ICから車で15分、バス停「東山温泉駅」から徒歩1分
所在地は、福島県会津若松市東山町湯本川向200です。車は会津若松ICから約7km、15分ほど。駐車場は無料で30台です。
同じ東山温泉の宿を比べるなら、伏見ヶ滝の露天風呂と貸切風呂7か所の庄助の宿 瀧の湯があります。
湯の数よりも、一日2組だけの貸切温泉で過ごす夜を探しているなら、猪苗代の悠ゆ亭という選び方もあります。
参考資料
会津東山温泉 向瀧 公式サイト、楽天トラベル 施設ページ、じゃらん 宿ページ
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