
有馬温泉は旅館が多くて選べません。金泉と銀泉の違いも、駅からの行き方もよく分からなくて。



御所坊・兵衛向陽閣・銀水荘 兆楽・御幸荘 花結びの4軒に絞りました。湯の表示や休館日は、日付をつけて書きます。
兵庫県神戸市北区の有馬温泉は、三宮から神戸電鉄で約30分。鉄分と塩分を含む茶褐色の金泉と、無色透明の銀泉、二つの湯が湧く町です。
この記事で書く有馬温泉の旅館は4軒です。駅から徒歩5〜6分の御所坊と兵衛向陽閣、金泉と銀泉の両方を引く兆楽と花結び。金泉だけの宿もあれば、湯の表示が予約サイトで分かれる宿もあるので、宿ごとの違いを並べました。
※この記事は、有馬温泉観光協会と各宿の公式サイト、楽天トラベル・じゃらんの掲載情報をもとにしています(26年11月5日時点)。運営者は4軒とも泊まっていません。休館日や期間限定の案内は変わることがあるので、出発の前に最新の案内をご確認ください。
- 金泉と銀泉の違い、4軒がそれぞれ引く湯
- 駅から宿までの徒歩の目安と、送迎の呼び方
- 兵衛向陽閣の休館日、兆楽のお送り便、金の湯・銀の湯の定休日
序章|有馬温泉の旅館を選ぶ前に、湯の始まりと金泉・銀泉の違い
有馬温泉駅に降りたら、宿までは歩くか、迎えを頼むかです。宿を選ぶ前に、町のことを三つだけ押さえておきます。湯の始まり、二つの湯の違い、宿の外にある外湯です。
湯の始まり|湯泉神社の縁起から行基、仁西、秀吉へ
有馬温泉観光協会は、湯の始まりを伝えとして紹介しています。湯泉神社の縁起によると、泉源を最初に見つけたのは大己貴命と少彦名命の二柱の神。舒明天皇や孝徳天皇の行幸で名を知られたあと、しだいに衰えた湯を再興して基礎を開いたのが行基です。
承徳元年(1097年)には洪水で壊滅した、と「温泉寺縁起」にあります。そこから立て直したのが仁西で、建久2年(1191年)に温泉寺を改修し、12の宿坊を営んだと伝わります。「坊」の字がつく宿が多いのは、この宿坊の流れをくむか、あやかったものといわれます。御所坊の名にも、その字があります。
天正11年(1583年)には秀吉が有馬を訪れ、慶長2年(1597年)に大規模な改修工事が始まりました。前の年の慶長伏見地震で、温泉の状態が変わったためです。協会は「秀吉の工事以来350年間、泉源の改修工事は行われなかった」とも書いています。清少納言も枕草子に「出湯は、ななくりの湯、有馬の湯、那須の湯、つかさの湯」と記しました。
金泉と銀泉|茶褐色の湯と無色透明の湯
協会の説明では、金泉は鉄分と塩分を含む有馬古来の温泉で、空気に触れると茶褐色になります。銀泉は炭酸を含む温泉と、ラドンを含む温泉で、無色透明です。
- 金泉だけ:御所坊
- 三つの湯処すべてに金泉:兵衛向陽閣
- 金泉と銀泉の両方:兆楽・花結び
外湯|金の湯と銀の湯
宿の風呂とは別に、日帰りで入れる公共の外湯が2か所あります。金の湯は駅から徒歩5分、8:00から22:00(最終受付21:30)。前身の「一の湯・二の湯」は、室町時代の1350年ごろにはこの場所にあったといわれます。無料の足湯は金の湯の横です。銀の湯も駅から徒歩5分で、9:00から21:00(最終受付20:30)、スチーム式のサウナがあります。
選ぶ前に:定休日は、金の湯が第2・第4火曜、銀の湯が第1・第3火曜です。どちらも祝日は営業して翌日が休みになり、1月1日も休みです。
第一章|有馬温泉の駅から徒歩5〜6分の旅館、御所坊と兵衛向陽閣
駅から徒歩約5分の御所坊と、約6分の兵衛向陽閣。近い2軒ですが、17室の木造三階建てと、100室を超える大きな旅館で、宿の姿は対照的です。
御所坊|駅から徒歩約5分、金泉だけの木造三階建て17室
有馬温泉駅から歩いて約5分。駅には宿の迎えが来ます。車の客は有馬里駐車場(無料、40台、予約不要)に停めると、夕方までは係員が宿まで送ってくれます。宿は、鎌倉時代に「湯口屋」として創業し、800年以上続くと案内しています。
建物は木造三階建てで、エレベーターはなく、移動は階段です。客室は全17室。プレミアムスイート、デラックス、スーペリア、スタンダードの4段階があり、26番室は谷崎潤一郎ゆかりの和洋特別室です。スタンダードは戦後すぐの棟にあって、枯山水の庭と温泉の湯気が見えます。スーペリアは階段が比較的少なく、大浴場に近い造りです。
湯は金泉だけ。宿は「金泉の源泉掛け流しの宿」と名乗り、御所泉源と妬泉源の混合で、含鉄-ナトリウム-塩化物強塩温泉です。大浴場の「金郷泉」は半混浴式で、湯船は別、仕切りの壁が低い造りです。貸切の「湯屋 松風」は御所泉源にもっとも近い風呂で、金泉と蒸し風呂があり、予約制で有料です。宿の湯は、宿泊者なら清掃の時間を除いて入れます。
夕食は山家料理で、明石浦漁港の昼網や、香美町・神河町の有機栽培米が使われます。朝食は黒豆豆腐の湯豆腐と須磨浦沖の海苔で、食事処か客室でとります。駅から5分歩いて木造の宿に着き、金泉だけの大浴場と、山家料理の夕食が待っています。
選ぶ前に:エレベーターがなく、木造なので足音や物音が響きます。子ども連れは、静かに過ごせて他の客の迷惑にならない場合に限られます。御所坊は9月26日付で、宿を装った不審なメッセージへの注意喚起を出しています。予約の連絡は予約サイトのメッセージ機能と宿のメールだけで、ほかの方法でカード情報や支払いを求められたら、手続きをせず宿へ直接問い合わせてください。
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兵衛向陽閣|駅から徒歩約6分、三つの湯処すべてに金泉
駅から徒歩約6分。駅やバス停に着いたら宿へ電話をすると送迎の車が来て、六甲有馬ロープウェーの駅へも送ってくれます。土曜と祝日は町内が渋滞し、待つことがあります。有馬温泉の高台に建ち、宿は創業七百年と名乗っています。
館は南館・西館・北館・東館と、湯処のある三の湯棟に分かれた、100室を超える大きな旅館です。南館の和室は温泉街に面した10畳に広縁がつき、北館のハイグレード和室は12〜14階で、六甲山と北摂丹波の山並みを望みます。
湯処は三つ、湯ぶねは九つ。すべての湯処に、金泉の内湯と露天があります。一の湯は格子天井の和風、二の湯はローマ風の造りで、この2つは日替わりで男女が入れ替わります。三の湯は9階の庭園にある湯治場風で、男湯と女湯が別です。貸切露天の「朝霧」と「夕霧」は、予約制で有料、宿泊者に限られます。じゃらんの温泉欄は「加温・循環ろ過」です。
食事は4つのスタイルから選べます。部屋の旬会席、レストランの旬会席、炭火焼会席、約50種類が並ぶ有馬四季菜ブッフェ。会席には六甲和牛のプランがあり、神戸牛の鉄板焼きは別注で、3日前までの予約が要ります。
選ぶ前に:休館日は12月14日から16日、2027年は1月11日から14日、2月15日と16日です。11月に休みはありません。
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第二章|有馬温泉で金泉と銀泉の両方に入れる旅館、兆楽と花結び
金泉も銀泉も使いたいなら、この2軒です。兆楽は大浴場と別棟の露天、花結びは7階の大浴場2つで、二つの湯に入れます。
銀水荘 兆楽|櫟林のそば、大浴場と別棟の露天で金泉・銀泉
送迎は有馬温泉駅などからで、じゃらんの案内では電話での連絡が必要です。無料の駐車場は50台。宿は喧騒から少し離れた櫟林のそばにあり、全41室です。雪の日はスタッドレスタイヤの装着がすすめられていて、送迎は大雪のとき中止になることがあります。
湯は金泉と銀泉の両方で、宿の案内では、金泉は地下200mを超える深さから自噴しています。西館2階の大浴場と、専用の通路でつながる別棟の「櫟の湯」のどちらにも金泉と銀泉があり、朝と夕で男女が入れ替わります。櫟の湯は櫟林の中の露天風呂で、銀泉の立ち湯と歩行湯があります。シャンプー・リンス・石鹸類は使えません。
貸切露天は金泉と銀泉で、別棟にあり、定員は4名。有料・予約制で、宿泊者だけが使えます。じゃらんの温泉欄は「加温」です。湯上がり処の「山吹」は西館2階で、飲み物とスイーツが無料で出されます。
夕食も朝食も、基本は部屋食です。2026年10月の夕食の献立例は、蟹菊花寿司と〆秋刀魚の八寸、海老と干貝柱のおこわ、松茸の土瓶蒸し、和牛ときのこ鍋、煮穴子でした。
選ぶ前に:11月1日から、期間限定で瑞宝寺公園方面へのお送り便が出ています。兆楽発は9:30、10:30、14:30、15:30で、交通状況によって前後します。温泉街やバス停、駅前へのお送りは随時で、フロントに声をかけます。
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御幸荘 花結び|駅から徒歩約10分、段差のない造りと7階の大浴場
有馬温泉駅から徒歩約10分。駅かバス停まで送迎があり、待っていられる場所がないので、着いたら宿へ電話をします。宿の前の駐車場は約50台で、無料、先着順です。専用駐車場から客室まで段差がなく、館内もバリアフリーを意識した造りで、1階にはバリアフリートイレ、車椅子は館内用と館外用の2台があります。
約105㎡で最大6名の和洋室「枳殻の間」は、露天風呂付きの客室のひとつです。ほかに、和室二間続きで、ひのきの金泉露天風呂がつく「杉の間」と「松の間」があります。温泉なのは、露天風呂付きの客室の専用露天だけです。ほかの客室の風呂は温泉ではありません。専用の金泉露天風呂は、24時間入れます。
大浴場は7階に二つ、「花がすみ」と「花ごよみ」。どちらも金泉と銀泉で、朝と晩に男女が入れ替わります。花ごよみは洋風の大理石仕立てで、金泉の展望露天風呂があります。浴槽には手すりがつきます。貸切の展望露天「花ごころ」は7階の金泉で、45分、有料です。プランに含まれる場合は事前に希望の時間を聞いて先着、含まれない場合は当日の空きだけ。じゃらんの温泉欄は「循環ろ過」です。
夕食は部屋食で、会席は近郊の食材をできるだけ使い、温かいものは温かく、一品ずつ出されます。朝食は2階のお食事処「花散歩」で、全席が椅子とテーブル、うち8室は完全個室です。露天風呂付きの客室は、朝も夕も部屋でとります。
選ぶ前に:段差は、館内に「ない」という案内と、展望露天風呂も「少ない」という案内があります。車椅子で泊まる方や、段差が気になる方は、予約の前に部屋と風呂までの道のりを宿へたずねておくと安心です。
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第三章|駅までの道のりと、11月からの日付
駅までの道のりと、宿での呼び方、そして日付のある話をまとめます。日付は26年11月5日時点のものです。
駅まで|三宮から神戸電鉄で約30分
観光協会の案内では、神戸電鉄の有馬温泉駅まで、三宮から約30分。新神戸からは市営地下鉄で谷上へ出て、神戸電鉄で有馬口を経て約30分です。大阪駅から約1時間、梅田の阪急・阪神から約1時間20分、姫路から約1時間30分かかります。
バスなら、新神戸と三宮バスターミナルから有馬温泉へ「有馬エクスプレス号」が走り、約45分。大阪空港からは、阪急バスの直通が約30分です。
宿まで|迎えの呼び方は宿ごとに違う
時間が決まった送迎ではありません。兵衛向陽閣と花結びは、着いたら宿へ電話して迎えを呼びます。兆楽はじゃらんの案内で電話での連絡が必要、御所坊は駅へ迎えが来ます。駅からの徒歩は、御所坊が約5分、兵衛向陽閣が約6分、花結びが約10分。兆楽は有馬温泉駅などからの送迎です。兵衛向陽閣は土曜と祝日に町内が渋滞して待つことがあり、花結びは待てる場所がないので到着後の電話となります。
車なら、駐車場は御所坊の有馬里駐車場が40台、兆楽が50台、花結びが約50台で、いずれも無料です。兵衛向陽閣は120台で、予約は要らず、係員が案内します。
日付のある話|瑞宝寺公園・休館日・年末年始
瑞宝寺公園は、有馬の紅葉の名所です。公園の茶店「もみじ茶屋」は、2026年は11月6日(金)から、紅葉が終わるころまで、11:00から16:00(予定)で開きます。兆楽のお送り便は、この方面へ向かう便です。
兵衛向陽閣の休館日は、12月14日から16日、2027年1月11日から14日、2月15日と16日。金の湯と銀の湯は、1月1日が休みです。年末年始に泊まる場合は、予約の前に宿へ営業日をたずねてください。
終章|有馬温泉の旅館4軒、迷ったときの分かれ道
金泉を使わない宿は、この4軒にはありません。分かれ道になるのは、銀泉も使うかどうか、宿の大きさ、そして休館日です。
兵庫のほかの宿は兵庫の温泉宿のまとめに、客室の露天風呂が温泉かどうかは露天風呂付き客室の温泉旅館の記事にあります。ほかの温泉地なら、修善寺温泉の旅館や伊香保温泉の旅館へ。予約前の下調べは温泉旅館の選び方にまとめました。
選ぶ前に|4軒の湯の表示・休館日を表で並べる
4軒の違いを表にしました。内容は26年11月時点です。
| 宿 | 風呂と湯 | 湯の表示 | 注意 |
|---|---|---|---|
| 御所坊 | 金泉だけ。大浴場「金郷泉」は半混浴式、貸切「湯屋 松風」 | 宿は「金泉の源泉掛け流しの宿」と案内 | エレベーターなし、木造で音が響く |
| 兵衛向陽閣 | 三つの湯処・九つの湯ぶね(金泉)。貸切露天2つ | じゃらんは加温・循環ろ過 | 休館 12/14〜16、1/11〜14、2/15・16 |
| 銀水荘 兆楽 | 大浴場と別棟の櫟の湯(金泉・銀泉)。貸切露天 | じゃらんは加温 | 11/1から瑞宝寺公園方面のお送り便。大雪の日は送迎中止あり |
| 御幸荘 花結び | 7階の大浴場2つ(金泉・銀泉)。貸切展望露天 | じゃらんは循環ろ過 | 温泉なのは露天風呂付き客室の専用露天のみ |
- 駅から:徒歩は御所坊が約5分、兵衛向陽閣が約6分、花結びが約10分。迎えの呼び方は宿ごとに違います
- 外湯:金の湯は第2・第4火曜、銀の湯は第1・第3火曜が定休日です
- 日付:休館日や期間限定の案内は、変わることがあります
よくある質問|有馬温泉の駅から徒歩・送迎・貸切露天・金泉と銀泉
駅からの距離や送迎、貸切風呂、金泉と銀泉の違いについて、4軒の案内にある範囲でまとめました。
- 有馬温泉駅から歩いて行ける旅館はどこですか?
-
駅からの徒歩の分数が案内にあるのは、徒歩約5分の御所坊、約6分の兵衛向陽閣、約10分の花結びです。兆楽は有馬温泉駅などからの送迎で、電話での連絡が必要です。
- 有馬温泉の旅館に、送迎はありますか?
-
4軒とも送迎があり、時間が決まった便ではありません。兵衛向陽閣と花結びは着いたら電話、兆楽は電話での連絡が必要、御所坊は駅へ迎えが来ます。御所坊は、有馬里駐車場に停めた車の客を夕方まで係員が宿まで送ります。兵衛向陽閣は六甲有馬ロープウェーの駅へも送迎し、土曜と祝日は待つことがあります。
- 有馬温泉の金泉と銀泉は、何が違いますか?
-
金泉は鉄分と塩分を含み、空気に触れると茶褐色になる湯で、銀泉は炭酸やラドンを含む無色透明の湯です。有馬温泉観光協会の説明によります。
- 御所坊の湯は、金泉ですか、銀泉ですか?
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金泉だけです。宿は「金泉の源泉掛け流しの宿」と案内していて、御所泉源と妬泉源の混合です。
- 有馬温泉の旅館に、貸切露天風呂はありますか?
-
4軒とも貸切風呂があり、すべて有料です。兆楽の貸切露天は金泉と銀泉で定員4名、兵衛向陽閣の「朝霧」「夕霧」は宿泊者限定、花結びの「花ごころ」は7階の金泉で45分です。御所坊の「湯屋 松風」は金泉と蒸し風呂があり、予約制です。
- 有馬温泉の金の湯と銀の湯の定休日はいつですか?
-
金の湯は第2・第4火曜、銀の湯は第1・第3火曜が定休日です。どちらも祝日は営業して翌日が休みで、1月1日も休みになります。
- 花結びの客室の風呂は、温泉ですか?
-
温泉なのは、露天風呂付きの客室の専用露天風呂だけです。ほかの客室の風呂は温泉ではありません。大浴場は金泉と銀泉で、7階にあります。
- 兵衛向陽閣の休館日はいつですか?
-
12月14日から16日、2027年1月11日から14日、2月15日と16日です。11月は休みがありません。
参考資料
有馬温泉観光協会の案内(有馬の歴史・泉質・金の湯・銀の湯・アクセス・瑞宝寺公園もみじ茶屋)/御所坊・銀水荘 兆楽・兵衛向陽閣・御幸荘 花結びの各公式サイト/楽天トラベル・じゃらんの各施設ページ

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